電動歯ブラシの電気代は高い?メーカー公表値で計算した答え
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充電台に挿しっぱなしの電動歯ブラシ。家族4人ぶんが洗面台に並んでいる。電気代の明細が上がった月に、ふと「これも効いているのでは」と気になる人がいます。
結論を先に書きます。電動歯ブラシの充電にかかる電気代は、メーカー公表値で計算すると1回あたり0.4円前後です。年に直しても十数円で、家計簿に載る規模ではありません。
ただし「置きっぱなしでいいのか」「乾電池式なら安いのか」は別の話です。電動歯ブラシの電気代をめぐる3つの誤解を、メーカー公表値と公式Q&Aだけで順に正していきます。
先に答え:充電1回あたり0.37〜0.43円
計算に使うのは、パナソニックが公式サイトの仕様表に載せている定格消費電力とフル充電時間です。電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定)を使います。家電のカタログで電気代を計算するときの共通の基準です。
ドルツ EW-DP37(ハイグレードモデル):定格消費電力 約4W(充電時)、フル充電 約3時間
- 4W × 3時間 = 12Wh = 0.012kWh
- 0.012kWh × 31円 = 約0.37円
ドルツプレミアム EW-DT88:定格消費電力 約2W(充電時)、フル充電 約7時間
- 2W × 7時間 = 14Wh = 0.014kWh
- 0.014kWh × 31円 = 約0.43円
上位機のほうが充電に7時間かかるのに、1回の電気代はほとんど変わりません。消費電力が半分だからです。充電時間の長さは電気代の目安になりません。
年額も出しておきます。EW-DP37はフル充電1回で約11日間使えます(Wクリーンモード・Wガムケアモード時/パナソニック公表値)。11日ごとに充電すると年33回で、0.37円 × 33回 = 約12円。EW-DT88も同じ11日間で、年約14円です。
毎晩かならず充電台に戻す人はどうか。定格のまま毎日3時間充電したと仮定しても、0.37円 × 365日 = 約136円です。満充電後は消費が落ちるので、これは上限の数字になります。
最終確認日:2026-09-05(価格・仕様は変わります)誤解1「毎日使う家電だから電気代もそれなりにかかる」
毎日使う頻度と電気代の大きさは比例しません。電動歯ブラシが1日に動くのは、朝晩2分ずつの計4分程度です。
パナソニックの公表値では、EW-DT88はフル充電1回で約45分動きます。1日4分なら11日ぶんです。電動歯ブラシが電気を受け取るのは11日に1回、しかも12〜14Whにすぎません。40Wの電球を20分つけたのと同じくらいの電力量です。
同じ洗面所にある家電と並べると、桁の差がはっきりします。パナソニックのヘアードライヤー ナノケア EH-NA0Jは消費電力1200W。1日5分使うと100Wh、31円/kWhで3.1円です。1人ぶんでも年約1,130円になります。
電動歯ブラシの年12円に対し、ドライヤーは年1,130円。同じ洗面所で、動く金額はおよそ90倍違います。電動歯ブラシの年12円を半分にしても、浮くのは6円です。手持ちの家電で計算してみたい人は、無料の電気代計算機にワット数と使用時間を入れてみてください。
誤解2「充電台に置きっぱなしは、電池にも電気代にも悪い」
置きっぱなしで電池が傷むかどうかは、メーカーが公式に答えています。結論は「傷まない」です。
パナソニックのQ&Aは、リチウムイオン電池の機種について「使用する度に充電しても問題ありません」と書いています。「取扱説明書に記載の充電時間より長く充電しても過充電や電池性能に影響はありません」という一文も添えられています。
ブラウン オーラルBの公式ストアのFAQも同じ立場です。充電器にセットしたままの保管について、過充電の心配はないと案内しています。充電池の寿命は3年から5年が目安、とも書かれています。
ただし、両社とも「置きっぱなしを推奨」とは言っていません。パナソニックのQ&Aは、本体や電池には影響がないと書いたうえで一言を添えています。「安全と省エネのため、充電が完了したら充電器をコンセントから抜いてください」。
引っかかるのは「省エネ」のほうです。充電が終わったあと、充電台がどれだけ電気を使い続けるのかは、どのメーカーも公表していません。ドルツもオーラルBも無接点充電方式で、台の側に待機電力があります。
数字がほしいなら、実測するしかありません。消費電力を測れるスマートプラグに充電台を挿すと、待機時のワット数と積算の電力量が見えます。機種ごとの測定精度の差は電力計測スマートプラグの比較記事にまとめています。
もっとも、測る手間と得られる金額は釣り合いません。待機電力が仮に0.5Wあったとしても、年に約136円です。3,000円台のスマートプラグを買って回収するには20年以上かかります。抜くか挿しっぱなしかは、電気代ではなく「毎回抜く手間が苦にならないか」で決めて構いません。
ジェットウォッシャーを併用しても、合計は年数十円
歯間の洗浄にジェットウォッシャー(口腔洗浄器)を足している人もいます。モーターで水を押し出す機器なので、電動歯ブラシより電力を使いそうに見えます。こちらもパナソニックの公表値で確かめました。
据置タイプ EW-DJ75:交流式、定格消費電力 約13W(使用時)、タンク容量 約600mL
1日2回、1回1分使うと1日2分です。13W × 0.0333時間 = 約0.43Wh。年に直すと約158Wh、つまり0.158kWhで、年約5円にしかなりません。使う時間が短いので、消費電力の大きさは効いてきません。
充電タイプ EW-DJ55:定格消費電力 約10W(充電時)、フル充電 約1時間、フル充電で約10分間使用可能
10W × 1時間 = 10Wh = 0.31円。1日2分なら5日で1回の充電になり、年73回で約23円です。
電動歯ブラシとジェットウォッシャーを両方使っても、電気代の合計は年40円ほど。洗面所の電気代を押し上げているのは、オーラルケア家電ではありません。
誤解3「電気代が気になるなら乾電池式のほうが安上がり」
乾電池式に替えると、ランニングコストは逆に上がります。
乾電池式の代表として、パナソニックのポケットドルツ EW-DS1Cを見ます。公式の仕様表では、単4形アルカリ乾電池(LR03)1本での使用時間は約180分です。
1日2回、1回2分で使うと1日4分。180分 ÷ 4分 = 45日で1本を使い切ります。年に約8本です。
単4形アルカリ乾電池の価格を調べました。楽天市場のパナソニック エボルタNEOは、20本パックで2,290円(2026-09-05時点)。1本あたり約115円です。年8本なら約920円になります。
充電式の年約12〜14円と比べると、70倍前後の開きがあります。電池代は電気代とは別の費目ですが、財布から出ていく金額としては乾電池式のほうがはっきり高くつきます。
乾電池式には、旅行に持ち出しやすい、充電台の置き場所が要らないという利点があります。選ぶ理由としては十分です。ただし「電気代の節約」を理由にすると、判断を間違えます。
効いてくるのは電気代ではなく替えブラシ代
電動歯ブラシで年単位の金額を左右するのは、替えブラシです。
ブラウン オーラルBの公式ストアは、替えブラシの交換目安を3〜4か月としています。ブラシの青い部分が白く変わったら交換、という判断基準も示されています。年に3〜4本という計算です。
iOシリーズ用の替えブラシ「アルティメイトクリーン」の価格を見ます。公式ストアの楽天市場店では3本入り4,818円でした(2026-09-05時点)。1本あたり約1,606円で、年3〜4本なら約4,800〜6,400円です。12本入り10,656円でまとめ買いすると1本888円まで下がり、年約2,700〜3,600円になります。
電気代の年14円に対して、替えブラシ代は年数千円。200倍以上の差になります。ランニングコストを下げたいなら、替えブラシの単価を先に調べてください。メーカーごとの替えブラシ単価の差は、電動歯ブラシの替えブラシ代で選ぶ記事で比較しています。
購入者レビュー392件で「電気代」に触れた人は0人だった
実際に使っている人が何を気にしているかを確かめるため、楽天市場のブラウン オーラルB公式ストアに出ているiO2のレビューを読みました。読めたのは392件です(取得日:2026-09-05)。
星の内訳は、楽天の集計で計2,513件。
- 5つ星:1,617件
- 4つ星:775件
- 3つ星:81件
- 2つ星:14件
- 1つ星:26件
星3以下は全体の4.8%です。読めた392件のうち星4以下は132件で、そこに出てくる不満を分類しました。
- 替えブラシの価格:10件。すべて星4以下でした。本体の性能には満足しつつ、替えブラシのランニングコストが高めという理由で星を1つ落とす書き方が目立ちます
- 重さ・ブラシのサイズ:22件。ヘッドが大きい、女性には重い、という声です
- 動作音や振動:20件。うち星4以下が10件でした
- 替えブラシの形状が変わって手持ちが使えない:6件。買い替え時に前の替えブラシを無駄にした、という内容です
- 充電に時間がかかる:3件
不満の1位が替えブラシ代である一方、「電気代」に言及したレビューは392件中0件でした。ランニングコストを話題にした人はいます。その中身はすべて替えブラシ代です。
良い評価の傾向も見ておきます。磨き上がりに触れたレビューが140件で最多でした。次に多いのが「手磨きから初めて電動歯ブラシに替えた」という書き出しで61件。時短に触れたものが15件、押しつけ防止センサーを評価したものが11件です。
評価が割れたのは音でした。静かだと書いた人が20件、音や振動が気になると書いた人も20件で拮抗しています。回転式で音が出る方式なので、静音性を最優先する人には向きません。
低評価の中身も確認しました。星1が1件、星2が1件だけ読めています。星2は初期不良で充電できず、交換対応になったという内容です。母数が少ないため、傾向として扱える件数ではありません。
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電気代を理由に買い替える必要はありません。ただ、乾電池式から充電式に移りたい人や、電池が弱った本体を替えたい人もいます。その場合の入口になるのがiO2です。iOシリーズでは最も安い位置づけで、押しつけ防止センサーと2分タイマーが付きます。替えブラシがiO専用で単価が高い点は、買う前に織り込んでおいてください。
電気代を気にして買い替えるより先に見る3点
電動歯ブラシのコストを下げたい人が、電気代より先に確認できることを3つ挙げます。
替えブラシの単価とまとめ買いの有無。3本入りと12本入りでは、1本あたりの差が2倍近くつきます。使い続ける前提なら、まとめ買いの設定がある機種を選ぶほうが年額は下がります。
替えブラシの互換性が変わっていないか。買い替え時に手持ちの替えブラシが使えなくなった、というレビューが6件ありました。同じメーカーでもシリーズが変わると形状が変わります。
内蔵電池の寿命。パナソニックは約3年、ブラウンは3〜5年を目安としています。本体が動かなくなる主因は電池の劣化で、どちらも自分では交換できません。本体価格を寿命年数で割った金額のほうが、電気代よりずっと大きく効きます。
電動歯ブラシの電気代は、計算しても年十数円です。上の数字を一度確認したら、あとは替えブラシの値段だけ見て選んで問題ありません。
※本記事は情報提供を目的としたものです。価格・仕様は変動する場合があるため、購入・契約前に必ず公式・販売ページの最新情報をご確認ください。
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