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扇風機をしまう前の掃除|水洗いできる部品とできない部品の見分け方

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朝晩が涼しくなって、そろそろ扇風機を片付けようかという時期です。ところが、羽根を見るとホコリが厚く積もっている。押し入れから去年の扇風機を出したとき、同じ状態でがっかりした記憶がある方も多いはずです。

片付ける前の手入れで迷いやすいのが、どこまで洗っていいのかという点です。パナソニックもバルミューダも、洗える部品と洗ってはいけない部品を取扱説明書ではっきり分けています。ここを取り違えると、掃除したつもりが故障の原因になります。

そしてもう一つ、片付けのタイミングで確かめておきたいのが本体の表示です。消費者庁が2016年6月に公表した資料では、扇風機の経年劣化による事故82件が、製造後30年以上経過した製品によるものだったとされています。全体の90%にあたります。

この記事でわかることは3つです。

  • しまう前にやること4ステップと、その順番
  • 水洗いできる部品とできない部品の、メーカー別の線引き
  • 来年出したときに、使うのをやめたほうがよいサイン

(本記事の情報の確認日:2026-09-13)

しまう前にやることは4つ

作業は上から順に進めます。所要時間は、分解できる機種で30分から1時間ほどが目安です。

順番やることかかる時間の目安つまずきやすい点
1電源プラグを抜き、プラグのホコリを取る5分刃の間のホコリを見落とす
2外せる部品を外して洗う20分洗ってよい部品を取扱説明書で確認していない
3完全に乾かしてから組み立てる数時間生乾きのまま組み立てる
4袋やカバーをかけて、湿気の少ない場所へ10分コードを本体に巻き付ける

先に結論を言うと、手を抜いてよいのは2番だけで、1番と3番は機種を問わず必要です。 分解できない機種でも、プラグの掃除と乾燥した場所での保管はできます。

1 電源プラグを抜き、プラグのホコリも取る

掃除の前に電源プラグをコンセントから抜きます。パナソニックは、お手入れの際に必ず電源プラグを抜くよう案内しています。

このとき、プラグそのものも見てください。刃と刃の間にホコリがたまったまま差しっぱなしにしていると、そこに湿気が加わって放電を繰り返し、発火に至ることがあります。トラッキング現象と呼ばれるものです。

NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2014年度から2018年度の5年間に通知のあった配線器具の事故309件のうち191件が火災事故で、その中で最も多いのがホコリや水分の付着によるトラッキング現象だったとされています。

乾いた布でプラグの刃と根元を拭くのは、片付けのついでにできて効果がはっきりしている作業です。 長期間使わない機器はプラグを抜いておく、という点はNITEも繰り返し案内しています。

電源タップ側が気になる方は、雷ガードタップの寿命と選び方もあわせてどうぞ。

2 水洗いできる部品は、メーカーが決めている

ここが一番の分かれ目です。洗える範囲はメーカーと機種で決まっていて、自己判断で広げてよいものではありません。

メーカー水洗いできると案内している部品水洗いしないよう案内している部品
パナソニック(リビング扇の例)ガード、羽根、スピンナー本体(スタンド、モーター部、ベース)
バルミューダ(GreenFanの例)前ガード、ファン、ガードホルダー、サイドガードモーター部、中間ポール、ファンホルダー、ベース部
シャープ機種ごとに前ガード・羽根・後ろガードの分解手順を公開モーター部は分解せず、外側のホコリを乾いた布やブラシで取る程度

共通しているのは、風が通る部分は洗えて、モーターが入っている部分は洗えないという線引きです。 バルミューダは、モーター部などを水洗いすると故障の原因になるとして、柔らかい乾いた布で軽く拭くよう指定しています。

洗剤にも指定があります。パナソニックは台所用中性洗剤以外を使わないよう案内していて、理由としてプラスチック部品のひび割れや変色をあげています。バルミューダも、薄めた台所用中性洗剤を含ませた柔らかい布やスポンジを使う方法を示しています。

シンナー、ベンジン、クレンザー、アルカリ性の洗剤は、変質・変色・劣化の原因になるとして各社が避けるよう案内しています。掃除に使いがちなアルコール除菌シートも、樹脂部品には向きません。

また、樹脂部品は傷つきやすいため、乾いた布で強くこすらないほうがよいとパナソニックは説明しています。ホコリが固まっている場合は、こすらずに、ぬるま湯でふやかしてから落とします。

外し方は機種ごとに違います。前ガードがフックで留まっているもの、羽根がナットで固定されているもの、ネジ留めのものがあり、手順は必ず手元の取扱説明書で確認してください。 パナソニック、シャープ、アイリスオーヤマはいずれも、機種別の外し方をサポートページで公開しています。

3 分解できない扇風機・サーキュレーターの掃除

サーキュレーターは、分解できる機種とできない一体型があります。アイリスオーヤマのサポートも、前面ガードの外し方は製品によって異なると案内していて、ロック位置に合わせて外す機種、ツメとネジで留まっている機種などに分かれます。

見分け方はシンプルです。前面ガードの周囲を見て、ネジも、回して外すためのマークも見当たらないなら、分解を前提としていない設計と考えたほうが安全です。外れない部品を無理に外そうとすると、ツメが折れて戻せなくなります。

一体型でできることは次の範囲です。

  • ガードの外側から、細いブラシや綿棒でホコリをかき出す
  • 掃除機の細いノズル(すき間ノズル)で吸う
  • エアダスターで吹き飛ばす(屋外かベランダで。室内だとホコリが舞います)
  • 外装は、固く絞った布で拭いてから乾拭きする

ここまでやってもガード内側に残るホコリはあります。それは割り切って、次のシーズンに買い替えるときの判断材料にするのが現実的です。

4 乾かしてから組み立てる

洗った部品は、完全に乾いてから組み立てます。急ぐと失敗しやすい工程です。

バルミューダは、濡れたまま組み立てるとファンを差し込む鉄の棒が錆びて、ファンが外れなくなることがあると注意しています。洗浄後は直射日光の当たらない場所で十分に乾かすよう案内しています。

生乾きのまましまうと、サビやニオイの原因になるという点はシャープの解説でも触れられています。ガードや羽根は形が複雑で水が残りやすいので、タオルで拭いたあと、半日から一晩は風通しのよい日陰に置いておくくらいが安心です。

乾かす場所に困る時期でもあります。秋の部屋干しの考え方は秋の部屋干しと除湿機の方式選びにまとめています。

しまう場所と、コードの巻き方

収納で押さえる点は3つです。

1つめは、むき出しで置かないこと。 シャープは、組み立てたまま保管する場合はポリ袋をかぶせるよう案内しています。専用カバーや大きめのビニール袋でもかまいません。袋なしで押し入れに入れると、次のシーズンに出したときガードがホコリをかぶっています。

2つめは、湿気の少ない場所を選ぶこと。 直射日光の当たらない、湿気の少ない場所という指定は各社の取扱説明書に共通しています。上に重い物を載せたり、すき間に無理に押し込んだりすると、変形や故障の原因になります。

3つめは、電源コードを本体に巻き付けないこと。 巻き付けると根元に力がかかり、断線につながります。断線したコードはショートや発火の原因になり得ます。ゆるく束ねて、付属のバンドやマジックテープで留めるにとどめてください。

しまう前にコードを一通り手で触り、被覆の傷、つぶれ、硬くなった部分がないかも確認します。傷が見つかったら、使用をやめて販売店やメーカーに相談する、というのが各社の案内です。

来年出したときに使ってはいけないサイン

ここからは、次のシーズンに出したときの話です。NITEと消費者庁は、次の症状が出た扇風機は使用を中止するよう呼びかけています。

  • スイッチを入れても羽根が回らない
  • 羽根は回るが、回転が異常に遅い、または不規則
  • 回転するときに異常な音や振動がする
  • モーター部分が異常に熱い、焦げくさいにおいがする

経年劣化が出やすい部品として、モーター起動用コンデンサー、モーターの巻線や回転軸、内部配線があげられています。これらは外から見て判断できないため、症状が出た時点で使用をやめ、電源プラグを抜いてメーカーや販売店に相談するのが唯一の対処になります。

気になるのは、消費者庁の同じ資料にある調査結果です。扇風機を使っている1,800人のうち27%が「異常な音がする」「モーター部分が熱い」といった予兆に気づいたことがあると答え、そのうち約半数は使用を中止せずに使い続けていたとされています。

「去年は動いたから大丈夫」は根拠になりません。むしろ、しまっている間に内部にホコリや湿気が入っている可能性があるぶん、出した直後の1回目は音と振動に注意して回してみてください。

ファンの異音そのものの切り分けは、サーキュレーターの音がうるさいときの対処でも扱っています。

製造年と「設計上の標準使用期間」はどこに書いてあるか

片付けのときに、本体の表示も見ておくと判断が楽になります。

2009年(平成21年)4月1日以降に製造または輸入された扇風機には、「製造年」と「設計上の標準使用期間」、そして経年劣化についての注意喚起が本体に表示されています。長期使用製品安全表示制度によるもので、対象は扇風機、エアコン、換気扇、洗濯機(洗濯乾燥機を除く)、ブラウン管テレビの5品目です。

設計上の標準使用期間とは、JEMA(日本電機工業会)の説明では、製造年を始期として、標準的な使用環境・条件・頻度をもとに試験から算定された期間で、経年劣化による発火やけがなどで安全上の支障が生じるおそれが著しく少ないことを確認した時期までの年数を指します。

年数は製品ごとに異なるため、ここでは「何年」と決めつけられません。 手元の機種の年数は本体表示と取扱説明書に書かれています。算定の根拠になった標準使用条件(想定の使用時間など)も取扱説明書に記載されています。

なお、この期間は保証期間でも、過ぎたら必ず壊れるという意味でもありません。年数はあくまで目安で、実際の判断は前の節のサインが優先します。表示のない古い製品を使っている場合は、製造年そのものを確認しておくとよいです。

掃除のしやすさで買い替えるなら

今の扇風機が問題なく動いているなら、掃除のしやすさだけを理由に買い替える必要はありません。そのうえで、毎年ホコリで苦労している方には、分解を前提に設計された機種という選択肢があります。

アイリスオーヤマの「サーキュレーターアイ DC JET」PCF-SDC15T-EC-Wは、工具を使わずに分解して洗えることを特徴として案内されているモデルです。

向いている人

  • 前面ガードが外せない機種を使っていて、毎年ホコリが落とせずに困っている
  • 衣類乾燥や換気でも使うため、一年を通して稼働時間が長い
  • 分解と組み立てを自分でやるのが苦にならない

人を選ぶ点

  • 分解して洗えることと、静かさ・風量の満足度は別の話です。音や風量を重視するなら、そちらの仕様を別途確認する必要があります
  • 部品を外せる構造のぶん、組み立て時にツメや向きを合わせる手間はかかります
  • 価格は変動します。購入前に販売ページで最新の価格と仕様を確認してください

冷房と組み合わせたときの置き方はサーキュレーターを置いても冷房が涼しくない原因にまとめています。来シーズンの参考にどうぞ。

迷ったときの確認の順番

  1. 電源プラグをコンセントから抜く
  2. プラグの刃と根元のホコリを、乾いた布で拭き取る
  3. 取扱説明書で、外してよい部品と水洗いしてよい部品を確認する
  4. 外せる部品はぬるま湯と薄めた台所用中性洗剤で洗う。シンナー・ベンジン・アルカリ性洗剤・アルコールは使わない
  5. 外せない機種は、ブラシ・すき間ノズル・エアダスターで届く範囲のホコリを取る
  6. 直射日光を避けて完全に乾かしてから組み立てる
  7. コードに傷がないか確認し、本体に巻き付けずにゆるく束ねる
  8. 袋かカバーをかけて、湿気の少ない場所にしまう
  9. 本体表示で製造年と設計上の標準使用期間を確認しておく
  10. 来年出したとき、異音・異常な振動・熱・焦げくささがあれば使用を中止して相談する

※本記事は情報提供を目的としたものです。価格・仕様は変動する場合があるため、購入・契約前に必ず公式・販売ページの最新情報をご確認ください。

出典