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停電中も自宅Wi-Fiを使いたい|電源を買う前の確認7項目

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停電した瞬間、スマホの画面には電波が立っているのに、家のWi-Fiだけが消える。テレビも固定電話も落ちる。スマホのモバイル回線は基地局が生きていれば使えるので、「通信が全部死んだ」わけではありません。

止まったのは、家の中に置いてある機械です。ここを取り違えたまま「災害用に何か買わなきゃ」と検索すると、必要のない大容量モデルを選んでしまったり、逆に容量の足りないものを買って一晩ももたなかったりします。

この記事は、停電中も自宅のインターネットを生かすために買う前に確かめる項目を7つ、上から順に並べたものです。1つずつ潰していくと、自分に必要な電源の種類と容量が数字で出ます。価格・仕様の最終確認日は2026-08-19です。

前提:止まるのは「光回線」ではなく「自宅の機械」であることが多い

まず全体像です。光回線は、屋外の光ファイバー → 通信事業者の局舎 → 自宅のONU(光回線終端装置)→ ルーター、という順につながっています。

このうち電力会社の停電で直接止まるのは、自宅のONUとルーターです。通信事業者の局舎には予備電源や自家発電設備が備えられており、停電が起きても通信設備側はしばらく動き続けるのが一般的とされています(法人向けの検証記事や回線事業者の解説でも同じ説明がされています)。

つまり、自宅側の機械に電気を送れれば、停電中でもインターネットにつながる可能性がある、というのがこの記事の出発点です。

ただし「可能性がある」であって保証ではありません。地震や台風で光ケーブルが切れていたり、局舎側の設備が被災していたり、停電が長引いて予備電源が尽きたりすれば、家に電気があってもつながりません。確実につながる方法ではないという点は、買う前に理解しておいてください。

チェック1:そもそも停電中にWi-Fiが必要か

いきなり出鼻をくじく話ですが、ここを飛ばすと無駄な買い物になります。

停電中でも、スマホは基地局が生きていればモバイル回線で使えます。1人か2人で、スマホの画面が見られれば十分という状況なら、テザリング(スマホのインターネット共有)で足りることがほとんどです。この場合、必要なのは電源装置ではなくスマホ用のモバイルバッテリーです。

自宅Wi-Fiを生かす価値が出るのは、次のような場合です。

  • Wi-Fiしか使えない機器がある:Wi-Fi専用のタブレット、据え置きのノートPC、プリンター、見守りカメラ、スマートスピーカーなど
  • 人数が多い:家族4人が同時に使うと、1台のスマホのテザリングでは電池も回線も苦しい
  • モバイル回線のデータ量を節約したい:停電が数日続くと、動画や連絡でギガを使い切りやすい
  • ひかり電話(光IP電話)を使っている:ONUに給電できれば、停電中も使える場合がある
  • 在宅勤務で仕事を止められない:日中の計画停電などで、業務用のVPNやクラウドにつなぎ続けたい

このどれにも当てはまらないなら、この先を読む必要はありません。モバイルバッテリーを1つ増やすほうが安く確実です。

チェック2:自分の回線が「光」か「ホームルーター」かを確認する

回線の種類で話が変わります。

  • 光回線(フレッツ光・光コラボ・auひかり・NURO光など):この記事の想定どおり。ONUとルーターに給電すれば復活する可能性がある
  • ホームルーター(5G/4Gの置くだけWi-Fi):中身はモバイル回線なので、本体に給電できれば動く。必要な電力はACアダプタのラベルで確認する(機種によっては消費電力が大きめ)
  • ケーブルテレビのインターネット:宅内のケーブルモデムに給電が必要。ただし上流の設備が停電に耐えるかは事業者しだいで、光より読みにくい
  • マンションの共用設備を経由する回線:要注意。建物の共用部にある集合装置が停電で止まると、各戸に電気があってもつながりません。管理会社や管理組合に、共用部の非常電源の有無を確認しておくと確実です

賃貸や分譲マンションで「共用部にどんな機械があるか分からない」という場合、実際に停電するまで結果が分からないことがあります。ここが読めないなら、Wi-Fi復活を主目的に高い機材を買うのは待ったほうがいい、というのが正直なところです。

チェック3:電源が要る機械を数える

意外と見落とされるのが、電源が要る箱は1台とは限らないという点です。

  • ONU(光回線終端装置)と無線LANルーターが別々の2台になっている家庭が多い
  • 事業者から借りているホームゲートウェイ(ひかり電話ルーター)と、自分で買った市販ルーターの2台構成もよくある
  • さらに有線LANのハブ、光電話のアダプター、メッシュWi-Fiの子機を足すと3台以上になることも

壁のコンセントまわりを実際に見て、ACアダプタが何個刺さっているかを数えてください。ここで数え漏らすと、いざ停電したときに「ルーターは動いているのにONUが死んでいて意味がなかった」という結果になります。

なお、メッシュWi-Fiの子機まで全部を生かす必要は普通ありません。停電中は親機のある部屋に人が集まる前提で、ONU+親機ルーターの2台だけに絞るのが現実的です。

チェック4:ACアダプタのラベルを読んで、必要なW数を出す

ここがこの記事の核心です。数字は自分の家の機械から取ります。

ACアダプタ(コンセントに刺さっている黒い箱)の側面に、小さく次のような表記があります。

INPUT : AC100V 50/60Hz
OUTPUT: DC12V 1.0A

このOUTPUTの値を掛け算すると、その機器の**最大消費電力の目安(W)**になります。

  • DC12V × 1.0A = 12W
  • DC12V × 1.5A = 18W
  • DC5V × 2.0A = 10W

これは「アダプタが供給できる上限」なので、実際の消費はこれより小さいのが普通です。ONUの電流を実測した法人向けの検証記事では、12V側で流れる電流の最大値が約0.94A(およそ11W相当)で、しかも常時その値ではなかった、と報告されています。

ですので、ラベルの計算値をそのまま合計しておけば、安全側の見積もりになります。ONU 12W + ルーター 12W なら、合計24Wと置いておけば十分です。

この「合計W数」を、必ずメモしてから電源を選んでください。 逆順にやる(先に電源を買ってから容量を考える)と、ほぼ確実に容量が合いません。

チェック5:どの電源で賄うかを決める

合計W数が出たら、次はどの手段で賄うかです。選択肢は大きく4つあります。

手段停電時の切り替えもつ時間の目安価格帯の目安向く場面
スマホのテザリング手動(自分で切り替え)スマホの電池しだい0円1〜2人・短時間
小型UPS(無停電電源装置)自動・数ミリ秒数分〜数十分1万円前後〜瞬停・短時間停電、機器を守る
UPS機能つきポータブル電源自動・10ミリ秒以内の製品あり数時間〜一晩以上3万円前後〜台風・災害の長い停電
USB PD対応モバイルバッテリー+DCトリガーケーブルなし(手で挿し替え)機種しだい数千円〜予備・持ち出し。上級者向け

(価格帯は2026-08-19時点の実売のおおよそです。変動します)

小型UPSは「機器を守る装置」であって「停電をしのぐ装置」ではない

UPS(無停電電源装置)は、コンセントとの間に挟んでおくと、停電した瞬間に自動でバッテリーに切り替わる箱です。代表的な家庭向けモデルの一つがAPC(シュナイダーエレクトリック)のBE425M-JPで、公式仕様は425VA/255W、常時商用給電方式、出力波形は矩形波、切り替え時間は標準4ミリ秒(最大8ミリ秒)。バックアップ付きコンセントが4口、サージ保護のみのコンセントが2口という構成です。実売は8,000円台から見かけます。

APC(シュナイダーエレクトリック)BE425M-JP 無停電電源装置 画像:楽天市場

大事なのは、**この手のUPSが想定しているのは「安全に電源を落とすまでの数分〜数十分の時間稼ぎ」**だという点です。一晩の停電をまたぐ設計ではありません。ONUとルーターだけをつなげば一般的なPC用途よりは長く持ちますが、台風で朝まで停電、という場面の答えにはなりにくいです。

停電が数分で復旧するタイプの地域(落雷による瞬停が多いなど)で、録画機やNAS、PCを守るのが主目的なら、この価格帯は十分に合理的です。

UPSを買った人30件のレビューから見えた「どこまで守れるか」

上のBE425M-JPについて、楽天市場の購入者レビューを30件読んで分類しました(取得日:2026-08-19。並び順は既定のまま、投稿は2017年から2026年8月までにまたがります)。読めた範囲では星4〜5が中心で、具体的な注意点はむしろ星4の投稿に集まっていました。

満足している人の使い方の傾向

  • 用途で多いのは、PC・録画機器(BDレコーダーやHDD)・ルーターなどの通信機器を守る目的。「PCを複数台つないだら容量が足りないのでルーター専用にした」という使い分けの報告もありました
  • 届いてすぐ自宅のブレーカーを落として動作確認した、という声が複数。実際の瞬停や停電で機器を守れたという報告もあります
  • 本体がスリムで壁掛けもでき、置き場所に困らない点、コンセントの間隔が広くACアダプタを直接挿しやすい点は評価が高めでした

不満・注意点として挙がっていたこと(多い順の印象)

  1. 出力波形が矩形波であることへの注意喚起。力率改善回路(PFC)入りの電源やトランス式のACアダプタでは、つなぐ前にメーカーへ確認したほうがいい、という指摘がありました
  2. 容量が小さい。PCを複数台つなぐ用途では足りず、途中で用途を絞ったという声
  3. PCとのUSB連携(自動シャットダウン)がないモデルだと気づかず買った、という不満
  4. バッテリー交換ができない世代があり、寿命が来たら本体ごと買い替えになる。寿命の目安を3〜5年と書いている人が複数
  5. 同じ部屋で消費電力の大きい家電を入れたときの電圧変化で、一瞬バッテリー動作に切り替わることがある
  6. 本体のガタつき、電源コードが硬く取り回しづらい、といった細かい使い勝手

購入者自身が「長時間用ではなく、シャットダウンまでの時間稼ぎ」と書いているのが、この製品の性格をいちばんよく表しています。停電中もネットを使い続けたいのか、機器を壊さずに落としたいのか——目的がどちらなのかで、選ぶものが変わります。

瞬停や短時間の停電で機器を守るのが目的なら、この価格帯は現実的な選択肢です。

チェック6:もつ時間を自分の数字で計算する

一晩以上を見込むなら、選択肢はUPS機能つきのポータブル電源になります。計算はシンプルです。

もつ時間(時間) = 容量(Wh) × 0.8 ÷ 合計消費電力(W)

0.8を掛けているのは、AC出力に変換するときのロスを見込んだ安全側の係数です(機種や負荷で変わるので、あくまで目安)。

チェック4で出した「ONU+ルーター=24W」を当てはめると、こうなります。

容量24Wの機器をつないだ場合の目安
286Wh約9時間
512Wh約17時間
858Wh約28時間

実在するモデルで言うと、EcoFlowのRIVER 3 Plusが286Wh・AC定格600W、専用の拡張バッテリーを足すと最大858Whまで伸ばせます。この機種はUPS機能を公称しており、停電時に10ミリ秒以内でバッテリー側へ切り替わるとされています。電池はリン酸鉄(LFP)です。実売はおおむね3万円前後で、店舗やクーポンで動きます(2026-08-19時点)。

ここで注意したいのは、ネットだけを賄うつもりならこの計算で足りますが、実際の停電では照明やスマホ充電、扇風機にも使いたくなるという点です。スマホ1台の満充電がおよそ15〜20Wh、小型のLEDランタンが数W。冷蔵庫や電子レンジまで動かすとなると桁が変わります。

必要な容量を「停電48時間」というシナリオから逆算する考え方は、震度6・停電48時間のマンションを想定すると、必要な電源容量が見えてくるで数字を並べています。ネット以外も含めて考える人はそちらを先に読むと、容量の当たりがつきます。

チェック7:買う前に知っておきたい落とし穴

最後に、買ってから気づきがちな点をまとめます。

矩形波の出力と、精密機器の相性 BE425M-JPのような常時商用給電・矩形波出力のUPSは価格が手ごろですが、力率改善回路(PFC)を積んだ電源やトランス式のACアダプタとの相性で注意が要ります。心配なら正弦波出力のモデル——たとえばオムロンのBW55T(550VA/340W・常時商用給電・正弦波出力)——を選ぶ手があります。ただし価格は2万円前後に上がります。

USB PDのDCトリガーケーブルは、上級者向けの手段 モバイルバッテリーからDC12Vを取り出してルーターを動かす方法は確かにありますが、次の3点をすべてクリアできる人向けです。

  1. 電圧の選択を間違えると機器が壊れる。12V機器に20Vを送れば一発です
  2. DCプラグの外径・内径と極性が合う必要がある。ルーターやONUではEIAJ規格(外径5.5mm/内径3.3mmなど)が使われることがあり、変換が要る場合も。センタープラス/センターマイナスを間違えると破損します
  3. メーカーの動作保証外。純正ACアダプタ以外での使用は自己責任になります

加えて、12Vを取り出すには65W以上のPD出力に対応した充電器やモバイルバッテリーが必要になるのが一般的です。「安く済ませたい」で選ぶと、結局ルーターを壊して高くつくおそれがあります。

ポータブル電源を常時つなぎっぱなしにする場合 UPS代わりに常時接続する使い方は、機種によって向き不向きがあります。バッテリーを経由せず直接給電するバイパス(パススルー)の作りかたと、電池の種類で寿命の減り方が変わるためです。リン酸鉄(LFP)は満充電のまま置かれることに比較的強いとされますが、常に細かい充放電を繰り返す機種では寿命を縮めます。UPS機能を仕様として公称しているモデルを選ぶのが安全です。

バッテリーは備えたまま劣化する UPSの内蔵バッテリーは3〜5年が目安という声が購入者からも複数出ていました。ポータブル電源も同じで、買って押し入れに入れっぱなしにすると、いざというときに残量ゼロということが起こります。半年に一度は残量を確認する日を決めておいてください。

サージ(雷)対策は別の話 停電対策とサージ対策は目的が違います。UPSにはサージ保護が付いていることが多いですが、保護素子は使うたびに劣化する消耗品です。この考え方は雷ガード付き電源タップは消耗品|寿命の目安と選ぶ基準に整理しています。

停電が復旧したのにWi-Fiが不安定なとき それは停電のせいではなく、別の原因かもしれません。夏場は熱で不安定になることもあります。切り分けは夏にWi-Fiが不安定|ルーターの熱が原因かの見分け方をどうぞ。

まとめ:先に測る、それから買う

やることの順番は変わりません。

  1. 停電中に自宅Wi-Fiが本当に要るのかを決める(要らないならモバイルバッテリーで十分)
  2. 回線の種類と、マンションなら共用設備の非常電源を確認する
  3. 電源が要る箱を数える(ONUとルーターは別々のことが多い)
  4. ACアダプタのラベルから合計W数を出す
  5. 数分の瞬停ならUPS、数時間〜一晩ならUPS機能つきポータブル電源
  6. 容量 × 0.8 ÷ 合計W数 で、もつ時間を自分の数字で出す
  7. 波形・プラグ・保証・バッテリー寿命の落とし穴を確認する

この7つのうち、いちばん飛ばされがちなのは4番です。 ACアダプタのラベルを見るだけで、必要な容量は驚くほど小さいと分かることもあれば、思ったより大きいと分かることもあります。買い物はそのあとで間に合います。

※本記事は情報提供を目的としたものです。価格・仕様は変動する場合があるため、購入・契約前に必ず公式・販売ページの最新情報をご確認ください。

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